2019.11.22

働くということに真剣に向き合うきっかけをくれた

総合政策学部4年生二階堂倫子さん

短期海外インターンシップ :アメリカ・ロサンゼルスで実施する約4週間のインターンシッププログラム。海外で働く日本人と接することで自身のキャリアを具体化することを目的としているため、日系企業が主なインターンシップ先となります。参加者の英語力に応じてインターンシップ先や業務内容を調整するので、英語力に自信がない方でも挑戦できます。

国際教育・協力センター(CIEC)教務機構 ハンズオン・ラーニングセンター 共催プログラム

高校時代からの夢の実現に向け1年生で参加

1年生の夏休みに1カ月間、マーケティング型ビジネス体験プログラム(PBL)で、アメリカ・ロサンゼルスのオーガニック食材を扱う日系の会社に派遣されました。PBLの参加者は25人ほどで、1年生は3人だけでした。私は高校時代から海外ボランティアや途上国の貧困問題に興味を持っていて、大学に入ったら海外関係のプログラムには積極的に参加しようと決めていました。しかも当時は、将来的にNPOを設立して途上国の子どもたちのために何かしたいという希望を持っており、そのためには、働くとはどういうことか知らないといけないし、マーケティングや経営なども学ばなければといけない。ビジネス全般について理解したいという強い気持ちから志望しました。

有機野菜を栽培・販売し売れる方法をプレゼン

派遣先の「サニーランドオーガニック」は、日本人のオーナーが現地のあまり裕福ではない人を雇って野菜等を有機栽培し、袋詰めしてスーパーマーケットで販売していました。基本的に私の仕事は、野菜に水をやったり苗を植えたりといった有機栽培のお手伝いと、スーパーマーケットでのお客さまへの試食サービスです。最後に総括として、どうすればもっと商品が売れるのかを、試食サービスの際に取ったアンケート結果なども交えてプレゼンテーションしました。有機栽培の野菜は他にもたくさん売られており、その大半が安くてアメリカンサイズで量が多く、家庭で何度かに分けて食べるタイプのものだったのに対し、サニーランドオーガニックの野菜は少量パックで、ランチなどで食べやすいサイズ感が特徴でした。そこで、日本のコンビニエンスストアにあるように小さなドレッシングを付けて売る方法などを提案しました。

先輩たちとつながれたのは大きな収穫

PBLの参加者はコテージに1部屋4人くらいに分かれて宿泊し、そこからそれぞれの派遣先に通いました。朝と夜は自炊で、夕飯はバーベキューをすることが多かったですね。アメリカは物価が高いので、みんなで材料を買って割り勘にするのが一番安上がりでした。楽しさというより安さです。私は1年生で参加したので、周りのほとんどが先輩で、帰国後もすごく面倒をみてくださいました。そういうつながりができたのは大きな収穫で、就職された今も一緒に釣りを楽しんだりしています。

働くことに向き合うための第一歩になった

プログラムを終えて、働くことを甘く見ていたと思いました。仕事は単純作業の繰り返しで、やりがいや楽しさを感じている労働者は少なく、私自身もずっと働きたいとは思えませんでした。世の中にはこういう仕事をしている人の方が多いのだろうなと考えると、働くことにあまり意欲や希望を持てなくなり、就職したくないなという気持ちになりました。でも、それは逆に、働くということに今後真剣に向き合わなくてはいけない、そのためには大学時代にたくさんのことを考えなくてはいけないと気付かせてくれた1カ月間だったとも言えます。この経験をきっかけに帰国後、いろいろな授業を受けて学びを深め、途上国で家を建設するEco-Habitat関西学院の活動や国際社会貢献活動に参加しました。紆余曲折しながら最終的に向き合った結果が、医師という職業であり、それを目指して来秋からハンガリー国立センメルワイス大学医学部に入学するという選択だったと思っています。

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