●文化歴史学科
思想、芸術、文化、地域、歴史から人間の存在の本質を解き明かす

人間の存在を思想、芸術、文化、地域、歴史という視点から考察します。6つの専修における学修・研究を通して専門性を追究するとともに、専修の枠を越えて多くの領域が学べる柔軟で自由度の高い履修システムを採用。段階的に学びを深められるカリキュラム編成で幅広い学識と深い洞察力を身につけます。


●総合心理科学科
人間を科学的観点から捉え、行動のメカニズムを解明する

学習、記憶、脳神経系、感覚知覚、感情、動機づけ、パーソナリティ、発達、健康、精神障害とその支援法など、多様な心理科学領域を学び、実験、調査、支援法、心理統計やプログラミングなどの技術をさまざまな実習、議論、卒業研究を通して修得することで、基礎研究、応用研究に必要なコンピテンシーを高めることをめざします。


●文学言語学科
言語・文学の探究を通して人間の存在の根幹を探究する

文学言語学科では、人間がつくりだした言語・文学の深い探究を通して、文化と人間の在り方、人間の存在と営みの本質の解明をめざします。日・英米・仏・独の4専修から自分の興味・関心や将来の目標に合った専修を選択。専修独自の語学カリキュラムでそれぞれの言語を身につけ、研究活動に生かします。


●基本DATA
学生数 3,408名  募集人員 770名  専任教員数 72名
●取得可能な資格
[学科共通]・学校図書館司書教諭 ・博物館学芸員 ・国際バカロレア教員認定証(DP)
[文化歴史学科/総合心理科学科]・高等学校教諭一種免許状 公民
[文化歴史学科]・中学校教諭一種免許状 社会 ・高等学校教諭一種免許状 地理歴史
[総合心理科学科]・公認心理師受験資格※1
[文学言語学科]・中学校教諭一種免許状 国語/英語/フランス語/ドイツ語 ・高等学校教諭一種免許状 国語/英語/フランス語/ドイツ語

※1 卒業後、公認心理師資格取得が可能な大学院に進学し、所定の科目を履修の上、博士課程前期課程ないし修士課程を修了するか、省令で定める施設において定められた期間、実務経験を経る必要があります

学生インタビュー



高田 育実さん
文学言語学科 日本文学日本語学専修2年
奈良・奈良高校出身

■学部の学び
和歌を学ぶために文学部へ 音楽をきっかけに詩も研究

子どもの頃から百人一首を用いた競技かるたや書道に親しんでいたことから、和歌や平安文学を学びたいと思い文学部に入学しました。文学史への理解を深める授業だと思っていた日本古代文学では、当て字が誕生した理由など、昔の人が情報をどのように考えていたのかを知り、国文学を学ぶことに興味をかきたてられました。その一方、友人と結成したアカペラグループがテレビ番組の「全国ハモネプリーグ」で日本一になり、音楽活動も本格的に開始。自分で作詞・作曲をするようになってから表現力の幅を広げたいと思い、和歌や詩について学修しています。

■もう一つの学び
客観的に自分を理解 和歌を学ぶゼミに決める

学部での学びのほかに、国際教育・協力センターが開講しているグローバルスタディーズ入門を履修しました。これは自分の人生を振り返るとともに、グローバル社会における自らのキャリア形成について考えるというもの。自分と異なる人生を歩んできた他学部の学生との意見交換によって、視野が広がり、自分のことを客観的な視点で見る力が身につきました。この授業で自分の人生を振り返った結果、長年競技かるたに親しんだ者として日本の和歌の世界を発信できる人材になろうと思い、王朝文学を研究する星山健先生のゼミを志望。当時の貴族の価値観について学ぼうと考えています。

学科共通の特色

 国内・海外などの研究対象地域に出向く実践的なフィールドワークが充実

文学部では、各学科においてフィールドワークが盛んです。文化歴史学科では、国内外でのフィールドワークで、地域活性化や野外視察、施設見学などを行っています。総合心理科学科では、学内の心理科学実践センターや学外の協力施設などにおいて、心理に関する実践を体験。文学言語学科では、専修の語学地域へ出向いてフィールドワークを多数行っています。

 海外で専門分野を学べる 学部独自の留学プログラムが豊富

毎年改良を重ねながら文学部独自の留学プログラムを提供しています。語学力を高めるための「ドイツ語中期留学」に加え、2023年度は「スタディツアー」としてイギリス・フランス・ドイツ・韓国で留学を実施。歴史・芸術・音楽・建築・演劇など、自分の専門分野を海外でフィールドワークをしながら深めることができます。

ゼミ紹介


▶紹介するのは… 米山 直樹ゼミ



米山 直樹 教授
立命館大学文学部卒業。
金沢大学大学院社会環境科学研究科
地域社会環境学専攻博士後期課程修了。
博士(文学)。
教育現場でみられる不安障害や発達障害などの問題解決について
行動論的アプローチで実践・研究している。

臨床心理の現場はもちろんさまざまな分野で活用できる行動変容の技術

私は行動分析学、具体的には行動変容を研究・指導しています。行動変容とは、その人をめぐる環境がどう変化したら行動が変わるのかを考察する研究領域です。何か問題のある行動が起きた時に「なぜこうなってしまったのか(WHY)」という原因を究明するよりも、「どう介入したらその人の行動が変わるのか(HOW)」を考えることが求められます。「引きこもりの当事者と家族とのコミュニケーションを増やすにはどうすればいいのか」「自閉症の子どもがどのように言語を獲得していくのか」など、臨床心理の現場で必要とされるノウハウです。
ゼミの学生は身近なことから、問題を見つけて解決方法を考えて実行し、結果を検証します。「ファーストフード店でアルバイトにあいさつをさせる」研究を行った学生の場合、アルバイト先の店舗が本部から「あいさつ」で高く評価されて臨時ボーナスが出たり、バスケットボール部のマネージャーの学生は「フリースローの成功率を上げる」研究に取り組んだ結果、チームが何十年ぶりに優勝するとともにフリースロー大賞を受賞したそうです。このように行動変容は臨床心理の現場はもちろん、スポーツ選手のコーチング、子育てや企業の人材教育への活用など、どんな場面でも使えるテクニックと言えるでしょう。

卒業生紹介


文化庁 文化財第一課 工芸品部門 文化財調査官
髙木 香奈子
2005年 文学部 美学科卒業
2007年 文学研究科 文化歴史学専攻 美学芸術学領域
博士課程前期課程修了 修士(芸術学)
2013年 文学研究科 文化歴史学専攻 美学芸術学領域
博士課程後期課程修了 博士(芸術学)

文化財調査官としての土台を育んだ大学・大学院時代

現在、私は文化庁で工芸品分野の文化財調査官をしています。調査官の仕事は、全国各地の博物館や寺社、個人などが所蔵する文化財をより良い状態で未来に伝えるために展示・保管環境、取り扱い、修理などについて監督指導を行なったり、特に重要な作品を国宝や重要文化財に指定して保護することです。着物や古い建築が好きだった私は、工芸分野の美術史を学ぼうと関西学院大学文学部に入学しました。漠然と工芸を学ぶことを考えていましたが、染織史を専門とする河上繁樹先生との出会いで、幅広い工芸分野の中から染織を研究分野に選び、学部から大学院博士課程まで17-18世紀の日本の染織を研究しました。工芸や染織は研究者が多い分野ではないため、専門的な学びを得る環境に身を置けたことは幸運でした。また在学中、江戸時代の着物の復元プロジェクトや大学博物館の開設準備など実践的に学ぶ機会を与えられたことによって多角的に文化財への理解を深めることができたことは、調査官としての土台になっていると思い、感謝しています。