Programs at Each Schools 学部プログラム

2021.07.28

客観的かつ多角的に物事を見るようになった

法学部 3年生北野桃菜さん

英米法A・B英米法A:アメリカおよびイギリスの司法制度・憲法の基本的知識を習得したうえで、なぜ英米法ではそうなっているのか、我が国の法と比較検討して、その根源にある考え方の違いを探ります。英米法B:契約法と不法行為法等の私法の分野において、なぜ英米法ではそうなっているのか、我が国の法と異なる背景を踏まえて、幅広い視点から検討します。

日本の法律と比較検討して考察

法学部では、2つの学科(法律学科、政治学科)を横断するコースが設置されており、法学部生は身に付けたい力に合わせて、2年生の秋学期にコースを選びます。私は国際的な場面での活動を志す学生のための「国際法政コース(2021年度からグローバル法政コース)」を選択しました。英米法は、2年生の秋学期にA、3年生の春学期にBを受けます。Aではアメリカ・イギリスの司法制度と憲法について、「大陸法と英米法の違い」「国民の司法参加と陪審制度」「イギリス公法の現代的課題」などのテーマに沿った講義を受け、Bでは契約法と不法行為法について同様に学びます。いずれも日本と比較検討をして、なぜ、英米法ではそうなっているのかを考察します。

判例を数多く知ることができる

基本的な違いとして、日本では、日常生活の全ての分野において文章になっている法律、成文法が存在しますが、英米法では裁判所の判例を集めたものが、国法の基幹的な部分を構成しています。つまり裁判所は多くの場合、過去の判例を検討することによって判決を導き出します。こうした英米法の特徴である判例法主義から、授業では判例が多く登場します。このような事例があり、こうした判決が下されたという判例を知り、その背景や日本との違いを考えるのはとても面白いです。

客観的かつ多角的な視点の大切さ

いくつもの判例を読み解いていく中で、正解は一つではないと考えるようになりました。裁判所ですら、いくつもの考え方があるのだから、個人の考え方に違いがあっても当然です。だからこそ、客観的かつ多角的に物事を見ないといけないなと思います。ジェンダー問題にしても国内外の出来事にしても、今までは自分の思いや考え方のみを語りがちでした。でも現在は、なぜそんなことが起こってしまったのか背景を考えてみたり、当事者はどんなことを思っているのだろうと探ってみたり、いろいろと考察するようになりました。そのせいか、以前よりニュース番組を見ることが増えましたね。

丁寧な解説で難しい内容も理解

私が受講した時期は新型コロナウイルス感染予防の観点から、A、Bいずれも授業は基本オンラインで実施されました。事前に送られる資料プリントに必ず設問(Question)が付いており、その正答が配信動画で明らかにされるという流れでした。設問はどれも難しく、動画を視聴しないと分からなかったので、毎回真剣に取り組みました。担当の木村仁・法学部教授は教え方がとにかく丁寧で、難しい内容を分かりやすく解説してくださいます。また、提出したレポートをしっかり読んでコメントを返してくださいました。点数だけでなく、どこが良くてどこが悪いのかが分かるので、大変ありがたかったです。

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