2020.05.08

自分自身の課題が見え、理想の将来像につながった

文学部4年生石山航太さん

Cross-Cultural College(CCC) 「Global Career Seminar in Canada」 :日本とカナダの学生混成のグループを組み、企業・団体等から与えられる国際展開等に関する課題について解決策を立案するプログラム。プログラム前半では、企業・団体等の事業に精通し、第一線で活躍している方々に会い直接情報収集を行います。その後、グループ内で解決案を導き出し、最終的にその方々に対してプレゼンを行い、講評を得ます。「寝食を共にしながらの協働学習」のコンセプトのもと、プログラム期間中はカナダ学生と同じ宿舎に滞在します。カナダの3大学は、トロント大学、クイーンズ大学、マウント・アリソン大学です。

国際教育・協力センター(CIEC) 提供プログラム。

日加の学生が共同で企業の課題に挑戦

2年生の春休みに、関西学院大学とカナダの3大学が協働するプログラム「Cross-Cultural College(CCC)」のコア科目の一つ「Global Career Seminar in Canada」に参加しました。

カナダのトロント大学で、現地の学生とチームを組み、各チームで異なる企業から出されるビジネス課題の解決策を立案します。ちょうど交換留学を目指して実践的な英語力を磨いていた頃で、海外で英語を使って現地の人と交流することに興味がありました。

参加している学生は留学経験者が多く、「留学で身に付けた英語力を実践的な学習で発揮したい」という人が多いと感じました。私はこれが初めての留学体験でしたが、大学生活では慣れない環境に飛び込みたくさんの人と出会うことを目標としていたため、挑戦してみることにしました。

大手農機メーカーにアプリの開発を提案

私のチームが対象とした企業はKubota Canada Ltd.(クボタカナダ)。日本の農機メーカー、株式会社クボタのカナダにおける主要関係会社でした。

9日間の滞在のうち、課題が発表され、解決策をプレゼンテーションするまでの期間は5日間。現地に到着した次の日にチームのメンバーと顔を合わせ、その翌日、クボタカナダの代表者から「どうすればオンラインショップを活性化できるか」という課題を与えられました。その後2日間はチーム全員で朝から夕方まで話し合って案をまとめ、発表内容や配布資料を作り込み、プレゼンテーションの練習をし…と、急ピッチで進めていきました。最終的には専用のアプリを開発し、オンラインショッピングやレンタルの利用増加につなげる案を発表しました。クボタカナダにはまだ専用のアプリがなく、積雪の多いカナダの冬でも、アプリを使えば実店舗に足を運ばずに効率よく農機や部品を購入・レンタルできるという点をアピールしました。

チームにおける自分の役割を考えるように

チームでディスカッションが始まると「来るところを間違えたな」と思うほどメンバーのレベルが高く、英語力もビジネスの知識も乏しかった自分はなかなか意見が言えませんでしたが、何とかしがみ付いていきました。

この経験を通して自分ができていること、できていないことが分かり、チームワークにおいて自分に足りない力は何か、どんなことなら力を発揮できるのかを考えるきっかけになりました。

また、異なる文化や価値観を持った学生たちと一緒に取り組むため、当然自分には受け入れがたい意見も出てきます。そんな時、自分ばかり主張せず相手の意見をどう受け入れるかを考えることで、社会に出た後にも必要となるコミュニケーション能力が培われたと思います。

日本企業の世界的評価を客観的に捉えられた

課題を通して、日本とカナダのように土地や気候、文化が異なる場所ではビジネスのアプローチが全く変わることが分かりました。日本ではトップ企業として知られていても、カナダではアメリカの企業などが競合相手となり、必ずしも主流ではありません。そうした市場を踏まえた上で、地域に合った事業展開を考えることが重要だと学びました。

日本の製品が海外でどう評価されているかを客観的に見ることができ、日本の製品をもっと広めたいと考えるようになりました。現在は就職活動中ですが、今回の経験が理想の将来像につながっていると感じています。

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