Programs at Each Schools 学部プログラム

2020.02.14

大好きな星と研究テーマが一つになった

理学部 4年生藤井 健さん

■研究室(担当者:平賀純子・理学部教授):
宇宙、X線、超新星残骸、重元素、CCD、半導体X線天文学が専門。輪講、卒業実験及び演習、外国書購読などを通じて、半導体X線検出器の開発実験やX線天文衛星の観測データの解析を行い、宇宙からのX線を観測できる仕組みや、宇宙でX線が発生する物理過程についての理解を深めます。
理工学部 開講科目。

※藤井 健さんは 理学部 (2021年4月開設)の前身である、理工学部(募集停止)所属です。

物理学実験の授業で希望の研究室が決まった

3年生で履修した物理学実験Ⅰ・Ⅱの授業は、8人の担当教員によるオムニバス形式の実験でした。その中で、平賀純子・理工学部准教授のGM管という放射線検出器を使った実験に感銘を受け、4年生で研究室に入る際にここを選びました。
私が取り組んでいるのはX線天文学、放射線であるX線を使って星の現象を観測し解析するというものです。もともと星が好きで、宇宙に関する研究がしてみたいとは思っていましたが、宇宙の何を研究したいのかが自分でも分からず、宙ぶらりんの状態でした。
そんな時、物理学実験の授業で放射線に魅力を感じて研究室に入ったら、やりたいことの中身に出合えたという感じです。メンバーは4年生9人、院生4人で、4年生の半分が私のような解析、院生や残り4年生の半分が装置の開発をしています。

壮大な宇宙の現象を見て学べるのが魅力

X線天文学は、高エネルギーの現象を研究する分野です。例えば、星が進化の最後に起こす爆発「超新星爆発」を観測する、ブラックホールを間接的に観測するといったことが可能です。そういう壮大な宇宙における現象を、天文学を通じて見たり、学んだりするのが面白く、X線天文学の魅力でもあります。また未知の世界のことなので、私たちも答えが本当に合っているかどうか分かりません。なので、観測機の改良などを行ったりして、精度の高い答えを求めていきます。

卒業研究は超新星残骸「RX J1713.7-3946」を解析

私の研究室では、4年生の春学期は就職活動や大学院入試に取り組む人が多いので、卒業研究には、大学院に合格した夏休み明けから本格的に取り掛かりました。その内容は、超新星残骸「RX J1713.7-3946」の解析です。この超新星残骸は、X線天文学においては重要な星で、研究する上での情報がたくさん詰まっています。天文衛星が撮影したデータを基に、自分で解析しやすいように手を加え、スペクトルなどを見ていきます。星の研究というと、屋外で望遠鏡を使ってやるというイメージかもしれませんが、X線天文学では、ずっと研究室にこもってパソコンと向き合い、ひたすら解析することが多いです。

大学院で学びを深め就職にも生かしたい

今やっているX線天文学をもっと学び、ゆくゆくは就職にも生かしたいと思っているので、このまま関西学院大学の大学院に進んで研究を続けるつもりです。最近は、人工衛星やロケットの打ち上げなど宇宙に関係する分野の仕事が増えてきており、今後も選択肢が広がっていくように感じています。

一方で、まだまだ開拓されていない分野もあるので、今自分が学んでいることを活かせるチャンスでもあると考えています。また、教えることが好きなので理科と数学の教員免許も取得しており、いずれはそのスキルを生かせるようなこともやってみたいと思っています。

※理工学部は理学部、工学部、生命環境学部、建築学部に再編しました(2021年4月開設)。
詳細は こちら

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