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2021.06.14
信頼関係でつながる部員たちの居場所
経済学部3年生中上咲英さん
コロナ禍で合気道の魅力を改めて感じた
学校になじめずにいた高校1年生の時、部活紹介で見た合気道が楽しそうだったので始めました。大学でも続けたくて、新入部員を勧誘している先輩に自ら突撃して入部。1年生の12月に関西新人大会の女子対徒手演武で2年生の先輩と組んで優勝しました。
しかしその後は新型コロナウイルス感染症の影響で大きな大会がなくなり、現在は稽古もリモートと自主トレです。でも、このような状況だからこそ、相手を観察し観察され、投げて投げられてという合気道の魅力を改めて感じます。
あれこれ難しく考えることなく人との関わりを楽しみながら実践することで、人間関係を深い部分まで構築できます。
コロナ禍でも一人の退部者もいないのは、部内で信頼関係が根付き、みんながここを居場所と感じているからだと思います。
大会には先輩・後輩で出場し指導に重点
現在、部員は30人強。私のように高校からというケースは珍しく、いろいろなスポーツを経験してきた人たちの集団です。なので、それまでに部活などで体験してきたスポーツを通して、自分なりの解釈で、得意な角度から合気道を楽しんでいる感じがします。
他大学を見ても、そんな部は珍しいですね。戦績も結構良くて、6月の関西学生競技大会と秋の全日本学生競技大会で優勝したり賞を取ったりしています。しかも先輩・後輩で組むのが基本で、関西大会は4年生と2年生で、新人戦は2年生と1年生で臨みます。
単に勝利を求めるなら上級生同士が近道ですが、大会の場であっても指導に重きを置き、かつそれで結果を残せているのは私たちの部の強みです。
部活を原動力にハードなゼミも頑張れる
経済学部では栗田ゼミという極めてハードな集団に所属しており、部活との両立は大変だろうと言われます。でも、合気道は私の原動力で、オアシス的な居場所です。部に所属しているので人と衝突したり、分かってもらえなくてしんどかったりということも時にはありますが、気持ちの面では合気道をしていることでゼミ活動もできている感じです。
部活があるから、勉強を頑張ろう、ゼミ活動を頑張ろうと思えるのです。栗田ゼミで体育会の部活に所属しているのは私だけですが、他にもバレエやマラソンに打ち込んでいる人など、スポーツをモチベーションにしているメンバーは多数います。
結果よりも成長に意味を見いだせる部活に
私たち3年生7人は、例年なら8月の幹部交代合宿で4年生から幹部を引き継ぎ、秋から本格始動する予定です。今回のコロナ禍のように、大会での勝利を目指していても状況に阻まれることがあり、結果だけに自分が存在している意味を求めると部活は続きません。
私たちの学年が通常の状態で部活をやれたのは実質1年程度ですが、その間に学んだことを下級生に伝え、大会で結果を残す以外に自分たちが成長することに意味を見いだせる部活にしていきたいと、同期で話しています。それが、部員がコロナ禍でも部活を続けた理由ですし、そういう環境からは学ぶことがたくさんあります。
幹部として、今まで先輩たちに教えていただいたことにリスペクトを持ち、感謝の気持ちで後輩につないでいきたいと考えています。尊敬する師匠に倣い将来はふるさとに貢献を
高校の時、合気道を通して尊敬する師範との出会いがありました。私が人生の目標としているのはその方です。ただ技を教えるだけではなく、80歳を過ぎた今も地域のイベントなどで子どもたちと関わりを持ち、和歌山を盛り立てる活動に取り組まれています。
私も大学を出た後、求められる場所で社会人を経験し、ふるさとに貢献できる何かが見つかった時には、和歌山に戻って師範のように得意なことを生かして活動できればいいなと思っています。