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2022.01.22
学生トレーナーとしての自分を必要としてくれる場所
文学部4年生蓮井宙生さん
アイスホッケーをするために入学
父親の影響で、アイスホッケーを5歳の時に始めました。中学校までは地元、香川県のチームに所属していましたが、競技人口が少なくレベルも高い方ではなかったので、もっと上を目指したいと高校からは北海道の北海高等学校に進み、競技に没頭しました。高校時代の戦績は全国大会ベスト8。大学でも続けるつもりで、関西学院大学の「スポーツ能力に優れた者を対象とした入学試験」を受けました。関西学院大学を選んだ理由の第一は故郷の香川県に近かったことです。北海道時代は遠すぎて両親に寂しい思いをさせてしまいました。関西なら、何かあればすぐに帰省できるし、気軽に応援にも来てもらえます。また、スクール・モットー“Mastery for Service”や体育会モットー“NOBLE STUBBORNNESS”について聞き、人間として成長できる場が用意されていると感じたのも決め手でした。
プレーヤーから学生トレーナーに転身
意気揚々と入学が決まってすぐ、「運動後急性腎不全」という病気が発覚しました。ウエイトトレーニングや短距離走といった無酸素運動をすると腎不全を起こす病気で、激しい運動をした1~2時間後に苦しくなります。5月には完全にドクターストップが掛かり、アイスホッケーはできないと宣告されました。初めはさすがに落ち込み、アイスホッケーができないのであれば大学にいる意味がないと退学も考えました。でも、高校時代の恩師や先輩に「これまでに培ったアイスホッケーのスキルを無にするのはもったいない」「プレーヤー以外でも貢献することはできる」などと助言を頂き、前向きになることができました。
部からも「残ってほしい」と引き止められ、残留を決意。部内にいなかった学生トレーナーに転身しました。アイスホッケーのようなコンタクト競技をする上で、ウエイトトレーニングは不可欠な要素。もともとトレーニングは好きで積極的にやっていたので、その知識を部に還元したいと思ったのです。
やりがいある仕事に出合えた
現在は、全選手のトレーニングメニューの作成・更新とテーピング、体調管理を行っています。負荷の重量などの数値はグラフ化し、各選手のトレーニング面での成長が目に見えるようにしました。また、私が卒業すると学生トレーナーがいなくなってしまうので、実務と並行してトレーナーの仕事に関するマニュアルを作成中です。併せて、テーピング技術やメニュー作成について後輩に指導しています。トレーナーの仕事に加え、アナライジングスタッフとして過去の試合映像の分析も担当。分析結果を踏まえ、選手に映像を見せながら「ここの動きはこうした方がいい」といったアドバイスをしています。「トレーニングの負荷の数字がすごく上がりました」「アドバイスのおかげで、試合で活躍できました」といった声をもらうこともあり、そんな時は部に残留してよかったと感じます。
他部との連携によりチーム力向上へ
アイスホッケー部は2021年5月、関西学院大学競技スポーツ局(KGAD)に加盟しました。これによって他の加盟団体と連携を図ることができると期待しています。1年生の時、学生トレーナーがいるアメリカンフットボール部の合宿に参加しました。トレーナーの仕事はもちろん、日本一を目指すチームの主将や幹部の動き、スタッフとの連携など、チームとしての在り方を学ぶことができました。アメリカンフットボール部に限らず他部のいい所を取り入れ、チームづくりに生かしたいです。そして、アイスホッケー部からも部の信念や学生トレーナーの仕事を他部に伝えていきたい。そうすることで、関学スポーツ全体のレベルアップにつながればうれしいです。
必要としてくれる仲間がいる居場所
アイスホッケー部は私にとって掛け替えのない居場所。学内ではその他大勢のひとりですが、部内では唯一の学生トレーナーとしてみんなが必要としてくれます。必要としてくれる人がいることは、ものすごく励みになっています。仲間がいることも大きいですね。心強いですし、仲間が頑張っている姿を見るのは刺激にもなります。トレーナー、そしてアナライジングスタッフ。いずれの仕事も、プレーヤーとの兼任では十分に業務を全うできなかったのではと思います。チーム力を上げるためにはトレーナーやアナライジングスタッフは不可欠です。卒業までにマニュアル化を進めるとともに、後継者の育成にも努めたいと思っています。